
スーパーなどではあまり見かけず、なじみのない方も多い柳松茸(やなぎまつたけ)。シャキシャキとした歯ごたえが魅力で、比較的手頃な価格で購入できるきのこです。
名前に「松茸」と付いているため、一般的な松茸との違いや旬、下処理の方法が気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、柳松茸の特徴や松茸との違い、旬、下処理、おいしい食べ方、保存方法を解説します。飲食店向けに、選び方や業務用で仕入れる際のポイントも紹介します。
シャキシャキした食感が魅力!柳松茸とは?
柳松茸は、ハラタケ目に分類される食用きのこです。ヤナギ類やカエデ類など広葉樹の立ち木や枯れ木、切り株、太い枝の切り口などに発生する木材腐朽菌の一種です。
なお分類上はモエギタケ科などに置かれますが、近年の研究で属の位置づけが見直されており、資料によって科の扱いが異なります。
天然のものは傘の直径が5〜10cm程度になるとされます。人工栽培されたものは傘が開ききる前に収穫されることが多く、細く伸びた柄が目立ちます。株の状態で育つため、しめじのような姿に見えることもあるでしょう。
ここからは柳松茸と松茸の違い、味・香り・食感の特徴について詳しく紹介します。
柳松茸と松茸の違い
柳松茸と松茸は名前こそ似ていますが、まったく別のきのこです。
柳松茸は広葉樹の枯れ木や切り株などに生える木材腐朽菌で、人工栽培ができるため、現在では栽培品が流通しています。
一方の松茸は、アカマツなどマツ科樹木の根と共生して育つ菌根菌です。樹木との共生関係が必要なことから人工栽培は確立しておらず、流通するのは天然物になります。収穫量も限られるため、価格は高くなりがちです。
味・香り・食感の特徴
柳松茸は、傘よりも柄の食感が魅力です。しっかりとした歯ごたえがあり、シャキシャキ、コリコリとした食感を楽しめます。
香りはおだやかで、クセの少ない味わいが特徴。名前に「松茸」と付きますが、松茸のような強い香りがあるわけではありません。
クセが少ない分、しめじや舞茸、しいたけなどほかのきのこと組み合わせると、料理に食感のアクセントを加えられます。炒め物や炊き込みご飯、鍋料理、肉料理の付け合わせなど、幅広い料理に活用できるきのこです。
参照:農林水産省 aff|おいしいきのこ図鑑、日本大百科全書|やなぎまつたけ
柳松茸の旬と主な産地
柳松茸は、天然ものと栽培ものによって旬や出回る時期が異なります。
天然の柳松茸は、初夏から秋にかけて平地や山地の広葉樹の切り株、枯れ木などに発生します。
一方、市場で販売されているものの多くは菌床栽培によるものです。ここからは、柳松茸の流通時期や入手のしやすさ、主な産地について見ていきましょう。
流通時期と入手性
栽培された柳松茸は、季節を問わず生産されています。ただし、しめじなどの一般的なきのこと比べると栽培している生産者が少なく、年間を通してスーパーに並ぶものではありません。
そのため、普段利用しているスーパーでは見かけないこともあるでしょう。青果専門店や品ぞろえの豊富なスーパー、産地の直売所などを探すと入手しやすくなります。
主な産地と出回り方
柳松茸は国内でも栽培されていますが、生産量は一般的なきのこほど多くありません。市場に出回っているものでは、鳥取県産などが知られています。
栽培品は、細長い柄と小ぶりな傘の状態で収穫されます。通年で生産されている一方、流通量そのものは限られているため、地域や店舗によって手に入りやすさには差があります。
新鮮な柳松茸の選び方
柳松茸を選ぶときは、柄に張りがあり、しおれていないものが目安とされています。表面が乾いていて、傘が濡れていないものを選びましょう。
また、柳松茸に限らずきのこ類は、酸っぱいにおいや異臭がするもの、表面にぬめりがあるもの、傷やカビが見られるものは鮮度が落ちている可能性があります。これらは避けてください。
シャキシャキ食感を保つ!柳松茸の下処理方法

柳松茸は基本的に水洗いせず、下処理するのがおすすめです。根元の硬い部分やおがくずなどを切り落とし、表面の汚れをキッチンペーパーや乾いた布でやさしく拭き取りましょう。
水で洗うと風味が落ちたり、加熱したときに水っぽくなったりする場合があります。柳松茸ならではの香りや食感を楽しむためにも、できるだけ水に触れさせず調理することがポイントです。
柳松茸のおいしい食べ方

柳松茸は歯ごたえがよく、クセも少ないため食べやすいきのこです。一方で、香りや旨みの主張は穏やかなので、ほかのきのこと組み合わせると味わいに厚みが出ます。
ここからは、柳松茸のおいしい食べ方を料理別に紹介します。
炒め物
柳松茸のシャキシャキとした食感を楽しむなら、炒め物がおすすめです。しめじや舞茸など、ほかのきのこや野菜とも合わせやすく、料理に食感のアクセントを加えられます。
炒めるときは、フライパンを十分に熱してから柳松茸を入れ、あまり触らずに焼くのがポイントです。焼き色が付くまで中火でじっくり火を通すことで、水分が出にくく、食感を生かして仕上げやすくなります。
炊き込みご飯
柳松茸は、炊き込みご飯にもよく合います。芳醇な香りと柄の歯ごたえで、風味と食感に変化を加えられます。
炊き込みご飯に使うときは、柳松茸を食べやすい大きさに切り、米やだし、調味料と一緒に炊き込みます。柄の食感を生かしたい場合は、厚めに切るのがおすすめです。
汁物・鍋料理
味噌汁やすまし汁、鍋料理にも、柳松茸は使いやすい食材です。
ただし、香りや旨みの主張は穏やかなため、しめじや舞茸、しいたけなどと組み合わせると味わいがまとまります。複数のきのこを合わせて旨みを補いながら、食感にアクセントを加えられます。
柳松茸の保存方法
柳松茸は、乾燥を防ぎながら冷蔵保存するのが基本です。すぐに使わない場合は冷凍保存もできますが、保存方法によって食感が変わるため、用途に合わせて使い分けましょう。ここからは、柳松茸の保存方法について解説します。
冷蔵保存
柳松茸は乾燥を防ぐため、キッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。表面に水分が付いている場合は、保存前にやさしく拭き取ってください。
鮮度や食感を保つため、冷蔵保存の場合も、できるだけ早めに使い切りましょう。
冷凍保存
すぐに使わない場合は、冷凍保存もできます。石づきを取り、食べやすい大きさに分けてから保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍します。
使うときは解凍せず、凍ったまま汁物や鍋料理などに加えましょう。冷凍すると水分が出やすく、食感が変わりやすいため、炒め物にはあまり向きません。炒め物に使う場合は、新鮮なうちに調理するのがおすすめです。
柳松茸を料理に取り入れるポイント
柳松茸は、柄の歯切れのよさが特徴のきのこです。加熱による食感の変化を踏まえて使うと、持ち味を生かしやすくなります。
加熱したときの食感の変化
柳松茸を加熱すると、傘は薄くやわらかくなり、全体が縮みます。一方で、柄は歯切れのよさが残りやすい部分です。
食感を前面に出したい料理では、柄を中心に使い、厚めに切って加熱時間を短くするとよいでしょう。汁物や煮物のように長く加熱する料理では、食感よりも全体のバランスを見て使い方を決めます。
和洋中のメニューへの取り入れ方
クセが少ない柳松茸は、ジャンルを問わずさまざまな料理に合わせやすい食材です。
- 和食:味噌汁や鍋料理、煮物、天ぷらなどに、食感のアクセントとして
- 洋食:歯ごたえを生かし、ペペロンチーノなどのパスタやバターソテーに
- 中華:肉や野菜と一緒に強火でサッと炒め、中華風の味付けに
業務用で柳松茸を仕入れる際のポイント

柳松茸は、しいたけやしめじに比べると国内での栽培の歴史が浅く、流通量も限られたきのこです。栽培している生産者が少ないため、地域や時期によって入荷状況が変わります。
業務用で仕入れる際は、産地だけでなく、必要な時期に希望数量を確保できるかをあらかじめ仕入れ先へ確認しておくと安心です。
まとまった数量を使用する場合は、使用予定日や必要数量、希望規格などを早めに伝えておきましょう。
生鮮品を仕入れる際は、鮮度や納品のタイミング、納品後の保管環境もあわせて確認しておくと、仕込みの計画を立てやすくなります。
柳松茸には、生鮮品だけでなく乾燥品もあります。使用するメニューや保存期間に合わせて、生鮮品と乾燥品を使い分けるのもひとつの方法です。
仕入れをご検討の際は、使用予定日、必要数量、希望規格、納品頻度などを添えて、水戸青果までご相談ください。
まとめ
柳松茸は、ほどよい歯ごたえとクセの少ない味わいが魅力のきのこです。炒め物や汁物、炊き込みご飯などさまざまな料理に使いやすく、ほかのきのこと合わせても楽しめます。
調理では、水洗いを避けて下処理することで、食感や風味を生かしやすくなります。仕入れの際は、鮮度や規格、必要量を確認し、用途に合ったものを選びましょう。
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