万願寺ししとうとは?ししとうとの違いと飲食店での活用レシピまで解説

万願寺(まんがんじ)ししとうは京都府を代表する夏野菜の一つとして知られ、大きく肉厚な果肉が特徴の食材です。

本記事では、一般的なししとうとの違いや、ご家庭でおいしく食べるための選び方と保存方法まで詳しく解説していきます。

さらに、飲食店における季節メニューへの活用メリットや具体的なレシピも紹介しておりますので、ぜひ日々の調理やメニュー開発にお役立てください。

▼水戸青果で取り扱う「万願寺ししとう」の入荷時期については、下記のお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。 

「万願寺ししとう」とは?

万願寺ししとうは、京都府を代表する夏野菜の一つとして広く知られる存在です。

正式には「万願寺とうがらし」と呼ばれ、大正時代末期に京都府舞鶴市の万願寺地区で誕生しました。

農林水産省の地理的表示(GI)保護制度にも「万願寺甘とう」として登録されており、国から品質が保証されています。

とうがらしの仲間でありながら、辛味はほとんどなく、ピーマンのような青臭さも少ないのが特徴と言えるでしょう。

果肉が厚くて柔らかく、噛むほどにほんのりとした甘みが口の中に広がります。種が少なく食べやすいため、幅広い世代に好まれる味わいを持っています。

参考:近畿農政局 万願寺甘とうが地理的表示(GI)に登録

万願寺ししとうの産地と旬

最大の産地は発祥の地である京都府舞鶴市であり、現在では隣接する綾部市や福知山市などの中丹地域でも盛んに栽培されています。

京都府のブランド京野菜にも指定されており、地域の特産品として大切に育てられてきました。

旬の時期は、初夏から秋に向けた5月中旬から11月下旬頃までとなります。

特に日差しが強くなる7月から8月にかけては、果肉がより肉厚になり、甘みも増して最もおいしい時期を迎えます。

参考:太陽の下にトウガラシの王様「万願寺甘とう」

「万願寺ししとう」と「ししとう」の違い

万願寺ししとうと一般的なししとうには、どのような違いがあるのでしょうか?

具体的な違いを3つの視点から比較して見ていきましょう。

見た目の違い

一般的なししとうは長さが5〜7センチメートル程度で、一口で食べられる小ぶりなサイズをしています。

一方で万願寺ししとうは長さが15センチメートル前後にもなり、一般的なししとうの2倍から3倍ほどの大きさがあります。

その立派なサイズ感から「とうがらしの王様」とも呼ばれるほどです。

ししとうは先端が獅子の頭に似ていることが名前の由来ですが、万願寺ししとうは細長く、先端が少し曲がっていることが多いという特徴を持っています。

食感の違い

一般的なししとうは皮が比較的薄く、焼いたり揚げたりするとパリッとした軽い食感を楽しむことができます。中が空洞になっているため、火が通りやすい特徴もあります。

一方で万願寺ししとうは果肉が非常に厚く、水分を多く含んでいるため、ジューシーで食べ応えのある食感が魅力です。

火を通すと果肉がとろけるように柔らかくなり、ししとうにはないボリューム感と深いコクを味わうことができるでしょう。

向いている料理の違い

ししとうは、その小ぶりなサイズと軽い食感を生かし、天ぷらの盛り合わせや焼き鳥の付け合わせなど、料理の脇役として活躍することが多い傾向にあります。

一方の万願寺ししとうは、大きさと肉厚な果肉を生かし、料理の主役として扱われることが多くなります。そのまま網焼きにして鰹節と醤油をかけるだけでも、立派な一品料理として成立します。

また、中に肉だねを詰めてボリューム満点のおかずにするのにも適しており、主菜としても副菜としても食卓を彩る優れた食材と言えます。

万願寺ししとうは基本的に辛くないが、辛みを生じることもある

とうがらしの仲間や一般的なししとうは、極度の乾燥や高温などのストレスを受けると、防御反応として稀にピリッと辛いものが混ざることがあります。

しかし、GI登録されている京都府産のブランド品「万願寺甘とう」は、長年の品種改良と徹底した栽培管理により、辛味のある実が完全に発生しない品種として確立されました。

ご家庭の菜園や一般流通している非ブランドの種子から育ったものには辛いものが混ざる可能性はありますが、京都府産のブランド品であれば飲食店でも安心してお客様へ提供できるでしょう。

万願寺ししとうの選び方

おいしい万願寺ししとうを選ぶには、全体の色ツヤを確認することが大切です。鮮やかな濃い緑色をしており、表面にハリとツヤがあるものを選びましょう。

時間が経つと水分が抜けてシワが寄ったり色がくすんだりするため、表面が滑らかなものを選ぶようにしましょう。また、ヘタの切り口が瑞々しくピンと張っているものは、収穫されてから時間が経っていない新鮮な状態です。

また、手に持った時にしっかりと重みを感じるものは、果肉が厚く水分が保たれている証拠と言えます。

参考:野菜ナビ 万願寺とうがらし

万願寺ししとうの保存方法

万願寺とうがらしは夏野菜で寒さに弱いため、使うまでの期間に合わせて保存方法を分けるのがポイントです。

  • 常温保存(目安:2〜3日):風通しのよい冷暗所で保存します。日持ちしないため、すぐに使う場合におすすめです。
  • 冷蔵保存(目安:4〜5日):表面の水分をしっかり拭き取り、キッチンペーパーで包んでから密閉袋に入れます。最適温度が10度前後のため、必ず「野菜室」で保存してください。
  • 冷凍保存:冷蔵時と同様にペーパーで包み、密閉袋の空気をしっかり抜いてから冷凍庫へ。使う時は解凍せず、凍ったまま素焼きや炒め物に調理できます。
  • 干す(乾燥):洗って水気を拭き取り、縦半分にカットして種側を下にして1〜2日ほど干す方法もあります。

参考:野口ファーム 万願寺とうがらしの保存方法や保存期間を解説!

万願寺ししとうを使ったレシピ3選

ここではご家庭でも簡単に作れるおすすめのレシピを3つご紹介します。

万願寺ししとうの焼きびたし

素材の味を存分に楽しみたい場合は、焼きびたしがおすすめです。万願寺ししとう特有の甘みと風味が、お出汁の旨味と相性抜群となっています。香ばしく焼き上げることで、味がしっかりと染み込むでしょう。

材料(2人前):

  • 万願寺ししとう:4本
  • だし汁:150ml
  • 醤油:大さじ1.5
  • みりん:大さじ1.5

作り方:

  1. 万願寺ししとうは破裂を防ぐために、へたの先を切り落として縦に切り目を入れます。
  2. グリルやオーブントースターに並べ、少し焼き色がつくまで香ばしく焼いてください。
  3. 鍋にだし汁、醤油、みりんを入れて煮立て、焼いた万願寺ししとうを加えます。
  4. そのまま粗熱が取れるまで冷まし、しっかりと味を馴染ませたら完成です。

万願寺ししとうとちりめんじゃこの炒め物

ご飯のお供や常備菜にしたい場合は、ちりめんじゃこの炒め物が最適です。

万願寺ししとうのほろ苦さと、じゃこの塩気が絶妙なバランスを生み出します。サッと炒めるだけで、手軽に一品が完成します。

材料(2人前):

  • 万願寺ししとう:4本
  • ちりめんじゃこ:20g
  • ごま油:大さじ1
  • 醤油:小さじ1
  • 酒:小さじ1

作り方:

  1. 万願寺ししとうはヘタを切り落とし、食べやすい大きさの斜め切りにしておきます。
  2. フライパンにごま油を中火で熱し、ちりめんじゃこを入れてカリッとするまで炒めてください。
  3. 万願寺ししとうを加え、油が全体に回るようにサッと炒め合わせます。
  4. 醤油と酒を回し入れ、汁気がなくなるまで手早く絡めたら出来上がりです。

万願寺ししとうの肉詰め

ボリューム満点のおかずを作りたい場合は、肉詰めがぴったりです。万願寺ししとうの大きくて肉厚な果肉は、ジューシーな豚肉の旨味をしっかりと受け止めてくれます。食べ応えがあり、食卓の主役になる一品と言えます。

材料(2人前):

  • 万願寺ししとう:4本
  • 豚ひき肉:150g
  • 青ネギ(小口切り):適量
  • おろしショウガ:少々
  • 片栗粉:適量
  • サラダ油:大さじ1

作り方:

  1. 万願寺ししとうは縦に切り込みを入れて種を取り除き、内側に片栗粉を薄くまぶします。
  2. ボウルに豚ひき肉、青ネギ、おろしショウガを入れて粘り気が出るまでよく混ぜ合わせてください。
  3. 万願寺ししとうの切れ目に肉だねをしっかりと詰め込みます。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、肉の面を下にして焼き目をつけたら、水を加えて蒸し焼きにして完成です。

万願寺ししとうは飲食店の季節メニューに使いやすい

飲食店において、万願寺ししとうは季節のメニューとして非常に重宝する食材と言えるでしょう。その理由について、以下の3つのポイントから詳しく解説していきます。

肉厚で見栄えがよく一品料理にしやすい

飲食店で使いやすい理由の一つとして、存在感のある大きさと見栄えの良さが挙げられます。一般的なししとうとは異なり、お皿に数本盛り付けるだけでも立派な一品料理として成立します。

肉厚な果肉は網で焼くと美しい焼き目がつき、食欲をそそる香ばしい香りを放つため、お客様の満足度を高めやすい食材です。

シンプルな調理法で素材の魅力を引き出せるため、厨房オペレーションの負担になりにくいというメリットも持ち合わせています。

和食・居酒屋・ホテル朝食で使いやすい

和の食材としての汎用性の高さも、万願寺ししとうが多くの飲食店で採用される理由です。

上品な甘みとほのかな苦味、そして肉厚な果肉は、出汁や醤油、味噌といった和風の調味料と非常に相性が良いのが特徴です。

また、冷めても味が落ちにくく色鮮やかな緑色が保たれるため、本格的な日本料理店や大衆的な居酒屋はもちろん、ホテルの朝食ビュッフェやお弁当の惣菜まで、幅広い場面で活躍します。

参考:クラシル 「万願寺とうがらし」とは?食材の特徴やおすすめレシピをご紹介 

旬の京野菜として付加価値を出しやすい

「京野菜」というブランド力を持つことも、飲食店にとって大きな魅力となります。

メニューに「京都産万願寺ししとう使用」と記載するだけで、お客様に特別感や高級感を感じてもらうことができるでしょう。

初夏から秋にかけての限られた時期にしか出回らないため、「季節限定」という言葉を添えることでより一層の付加価値を生み出し、店舗の客単価向上に貢献することが期待できます。

まとめ

万願寺ししとうは、京都府発祥の肉厚で甘みのあるおいしい野菜です。一般的なししとうと比べて圧倒的に大きく、料理の主役になる存在感を持っています。

京都府産のGI登録ブランド品であれば辛味がなく、小さなお子様からお年寄りまで安心して食べられる点も大きな魅力と言えます。

見栄えの良さとブランド力から、ご家庭だけでなく飲食店の季節メニューとしても非常に優秀な食材ですので、ぜひ旬の時期に味わってみてください。

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