梅の種類と特徴|代表的な品種と旬・用途別の選び方を青果店が解説

梅の種類と特徴|代表的な品種と旬・用途別の選び方を青果店が解説

梅酒や梅干しを仕込む季節になると、店頭にはさまざまな種類の梅が並ぶ光景を目にする機会が増えます。

「南高梅」や「白加賀」など複数の品種がありますが、違いや用途が分からず迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。使う実梅の種類によって、できあがる加工品の味わいは大きく変化するものです。

この記事では、梅の代表的な種類や品種ごとの特徴、用途に合わせた選び方を解説します。

▼水戸青果で取り扱う「梅」の入荷時期については、下記のお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。 

梅の種類は大きく分けて「花梅」と「実梅」

梅には数多くの種類が存在しますが、大きく分類すると「花梅(はなうめ)」と「実梅(みうめ)」の2つに分けられます。ここでは、用途の異なる2つの分類について見ていきましょう。

花を楽しむ「花梅」

花を楽しむ「花梅」

花梅(はなうめ)は、おもに花の観賞を目的として栽培される梅を指します。実をつける品種もありますが、実梅と比べて実がなりにくいものや、果実が小さいものなどもあり、一般的には食用よりも観賞用として親しまれています。

園芸学的には、原種に近い「野梅系」、枝の芯まで赤い「緋梅系」、アンズと交配した「豊後系」の3つの系統に分けられるのが特徴です。

庭木や盆栽として親しまれており、春の訪れを視覚から楽しませてくれる存在といえるでしょう。

食用として使われる「実梅」

食用として使われる「実梅」

実梅(みうめ)は、梅干しや梅酒などに加工して味わうことを目的に育てられた梅の総称です。

実梅には、果肉が厚いものや香りがよいもの、加工しやすいものなど、果実の利用に適した品種が揃っています。私たちが普段スーパーや青果店で見かける梅の多くは、この実梅に分類されるものです。

品種によって酸味や香りに違いがあり、加工の仕方次第で多彩な美味しさを引き出せる魅力を持っています。

代表的な実梅の品種|梅の種類と特徴

ここからは、梅干しや梅酒作りによく選ばれる、実梅の代表的な品種をご紹介します。それぞれの特徴を把握して、用途に合わせて最適な梅を選ぶための参考にしてみてください。

南高梅(なんこううめ)|梅干し向きの代表品種

南高梅(なんこううめ)|梅干し向きの代表品種

和歌山県を中心に広く栽培されている、非常に知名度の高い品種です。とろけるような食感の梅干しを作りたい場合に向いており、熟した実はフルーティーで甘い香りを放ちます。

【南高梅の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:果実が大粒で、皮が薄く果肉がやわらかい
  • おすすめの用途:梅干し、梅ジャム、梅酒

白加賀(しろかが/しらかが)|梅酒・梅シロップにも使いやすい青梅

白加賀(しろかが/しらかが)|梅酒・梅シロップにも使いやすい青梅

関東地方を中心に古くから栽培されてきた歴史を持ちます。青梅の状態で収穫されることが多く、エキスが抽出しやすいため、すっきりと澄んだ味わいの梅酒やシロップ作りにおすすめです。

【白加賀の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:果肉が厚く、繊維が少ないため歯ごたえがある
  • おすすめの用途:梅酒、梅シロップ、梅干し

古城梅(ごじろうめ)|香りがよく梅酒に向く希少品種

古城梅(ごじろうめ)|香りがよく梅酒に向く希少品種

栽培が難しく収穫量が限られるため、市場に出回る数が少ない希少な梅として知られています。さわやかで芳醇な香りがあり、濁りのない透き通った仕上がりになるのが大きな魅力です。

【古城梅の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:実が硬く引き締まっており、美しい緑色を長く保ちやすい
  • おすすめの用途:梅酒、梅シロップ

豊後梅(ぶんごうめ)|大玉で果肉が多く、梅酒やシロップにも向く品種

豊後梅(ぶんごうめ)|大玉で果肉が多く、梅酒やシロップにも向く品種

耐寒性に優れており、東北地方などでも広く栽培される傾向にあります。酸味がやや少なくまろやかな味わいで、果肉のボリュームを活かしたジャムや、食べごたえのある梅干し作りに重宝される存在です。

【豊後梅の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:アンズとの交雑種とされ、果実が大玉で果肉がたっぷり
  • おすすめの用途:梅干し、梅酒、梅ジャム

鶯宿梅(おうしゅくばい)|香りが強く梅酒や梅シロップに向く青梅

鶯宿梅(おうしゅくばい)|香りが強く梅酒や梅シロップに向く青梅

古くから日本で親しまれてきた品種で、病気に強く育てやすいメリットを備えています。熟しても果肉が崩れにくいため、歯ごたえを楽しむカリカリ梅や、香り高い梅酒を作るのに好適でしょう。

【鶯宿梅の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:果肉が硬めでカリッとした食感があり、強い香りを放つ
  • おすすめの用途:梅酒、梅漬け、カリカリ梅

竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)|カリカリ梅や梅漬けに向く品種

竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)|カリカリ梅や梅漬けに向く品種

主に長野県などで栽培されている、小粒サイズの代表的な存在です。お弁当の彩りやおにぎりの具材として使いやすい大きさの梅干しを作るのに向いており、カリッとした食感に仕上がります。

【竜峡小梅の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:非常に小さな果実でありながら、種が小さく果肉の割合が多い
  • おすすめの用途:カリカリ梅、小梅の梅干し

露茜(つゆあかね)|赤い果肉で梅酒・梅ジャムが綺麗な色に仕上がる

露茜(つゆあかね)|赤い果肉で梅酒・梅ジャムが綺麗な色に仕上がる

赤い色素を多く含み、梅酒や梅シロップ、梅ジャムに加工すると鮮やかな紅色に仕上がるのが特徴です。酸味が強いため生食には向きませんが、赤い色合いを活かした加工品に適しています。 

【露茜の特徴とおすすめの用途】

  • 特徴:ニホンスモモとウメを交配して育成され、果皮と果肉が鮮やかな赤色に色づく 
  • おすすめの用途:梅酒、梅シロップ、梅ジャム

梅の旬と仕入れ時期の目安

梅は品種によって、収穫される旬の時期や市場に出回るタイミングが異なります。

必要な時期に希望する梅を確保できるよう、仕入れの計画を立てる際の目安にしてみてください。代表的な実梅の旬・仕入れ時期を以下の表にまとめました。

なお、収穫・流通時期は産地やその年の天候、青梅・完熟梅といった出荷時の熟度によって前後します。以下は一般的な目安としてご覧ください。 

品種旬・仕入れ時期の目安
南高梅(なんこううめ)6月〜7月頃
白加賀(しろかが/しらかが)5月〜6月頃
古城梅(ごじろうめ)5月下旬〜6月頃
豊後梅(ぶんごうめ)6月下旬〜7月上旬頃
鶯宿梅(おうしゅくばい)6月上旬〜7月頃
竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)5月下旬〜6月中旬頃
露茜(つゆあかね)6月〜7月中旬頃

小梅である「竜峡小梅」などが比較的早い時期から出回り、その後、「南高梅」や「豊後梅」などの大玉品種が流通します。 

特に業務用の仕入れをお考えの場合は、品種ごとの短い旬を見逃さないよう、早めの情報収集を心がけましょう。

▼水戸青果で取り扱う「梅」の入荷時期については、下記のお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。 

用途別に見るおすすめの梅の種類

梅干しや梅酒など、何を作りたいかによって選ぶべき梅の種類は変わってきます。ここでは、用途ごとにおすすめの実梅の品種を整理しました。

作りたい加工品に合わせて、適した特徴を持つ品種を以下の表から見つけてみましょう。

用途おすすめの梅
梅干し南高梅、白加賀、豊後梅、鶯宿梅
梅酒南高梅、白加賀、古城梅、豊後梅、鶯宿梅、竜峡小梅、露茜
梅シロップ白加賀、古城梅、豊後梅、鶯宿梅、露茜
加工品(梅ジャムなど)南高梅、白加賀、豊後梅、露茜

梅干し作りには、果肉がやわらかく皮が薄い品種が向いています。

一方で梅酒やシロップには、エキスが出やすく香りの良い青梅系の品種を選ぶと良いでしょう。

用途に適した品種を選ぶことが大切です。

おいしい梅を選ぶポイント

品質の良い梅を見極めるためには、いくつか確認すべき視点が存在します。店頭や仕入れの際に役立つ、選び方の基準を見ていきましょう。

果実がふっくらして丸みがあるものを選ぶ

果肉が厚く、全体的にふっくらとしたハリのある形状をしているものが、良質な梅を見分ける基本となります。

手に持ったときにずっしりとした重みを感じる実は、内部に水分やエキスをたっぷりと含んでいる証拠です。

表面にシワが寄って乾燥気味のものや、極端にいびつな形をしたものは、加工した際に十分な果汁が出ない可能性があるため避けるようにしましょう。

傷や斑点が少ないものを選ぶ

表面に大きな傷や茶色い斑点が目立つものは、その部分から傷みやカビが発生しやすくなるため注意が必要です。

ほんの少しの破れであっても、梅酒やシロップを漬けた際に液が濁る原因につながるケースがあります。

特に梅干しを作る場合は仕上がりの見た目にも大きく影響してくるため、できるだけ表面が滑らかで綺麗な実を選ぶのが失敗しないコツです。

用途に合わせた品種を選ぶ

青梅の状態で収穫された硬い実は、爽やかな酸味がありエキスが抽出されやすいため、梅酒や梅シロップ作りに適しています。

一方で、黄色く色づき熟したやわらかい実は、フルーティーな香りと果肉の崩れやすさを活かせる梅干しやジャムに向いています。

どのような加工品を作りたいかに合わせて、品種の特性だけでなく「青梅か完熟梅か」という熟度までこだわって選択してみてください。

【業務用】梅を仕入れる際に確認したいポイント

飲食店や加工業者様が業務用として梅を仕入れる際は、安定した品質と量を確保することが大切になります。

梅は旬の時期が短く、天候によって収穫量や価格が変動しやすい商材です。そのため、複数の産地とつながりを持つ青果店と提携することで、欠品リスクを軽減できます。

また、加工ロスを減らすために、サイズや熟度の揃い具合を事前に確認しておくことも欠かせません。

特定の希少品種を指定して仕入れたい場合は、出回る期間が非常に短いため、早めの相談が必須となります。

まとめ

梅には数多くの品種があり、大きく「花梅」と「実梅」に分けられます。この記事では、南高梅や白加賀など、代表的な実梅の種類や特徴について解説しました。

作りたい加工品に合わせて、適した品種や熟度を選ぶことが美味しく仕上げる秘訣です。ぜひ、用途にぴったりの梅を見つけて、季節の手仕事を味わってみてください。

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北海道札幌市の「水戸青果」は、1980年の創業以来、鮮度と品質にこだわった選りすぐりの青果をお届けしてきました。

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