私たち株式会社水戸青果は、1980年の創業以来、札幌を拠点に多くの飲食店へ青果をお届けしてきました。
しかし、私たちの本当の使命は、ただ野菜を運ぶことではありません。
「農家さんと料理人さんを結び、つくる人・いかす人・たのしむ人をむすぶ」
今回は、その理念がひとつの形となった出来事をご紹介します。 それは、一通のメールから始まりました。
目次
一通の切実なメールから始まった出会い
始まりは、水戸青果のホームページに届いた一通の問い合わせメールでした。
送り主は、北海道帯広農業高等学校の松本奈緒子先生。メールには、こんな切実な想いが綴られていました。
「北海道幕別町忠類で『月光ゆり根』を栽培している農家の跡継ぎが本校に在籍しています。しかし本人は、父の思いやその希少価値を十分に理解できておらず残念でなりません。素晴らしいゆり根栽培を途絶えさせないために、自家の価値を知るきっかけを作ってあげたい。流通のプロという立場から村田と話をしてほしい」
生徒の村田英孝君(17歳)の実家は、十勝の幕別町忠類で88年にわたり農家を営んできました。祖父の代から土を拓き、父が44年にわたってゆり根を守り続けてきた家です。
彼らが育てる「月光」という品種は、出荷までに6年もの長い歳月を要します。病気にも弱く非常に高度な栽培管理が求められるため、現在ではわずか十数軒の農家しか生産していない「幻の品種」です。
しかし、生まれた時からその環境にいた村田君自身は、自分の家業の本当の凄さに気づいていなかったのです。
松本先生の熱意ある言葉を受け取った弊社社長・水戸は、すぐにお二人と会う約束をしました。札幌でじっくりと話を聞く中で、「この場だけで終わらせてはいけない」という想いが芽生え、今回のプロジェクトになりました。
食材の価値を伝える 生産者から料理人、そしてお客様へ
北海道ホテル&リゾートホールディングス様に協力を要請し、小林英樹CEOや竹澤秀治料理長に向け、3代目の村田君(17歳)自身が直接「月光ゆり根」の価値をプレゼンテーションする特別な場が実現しました。

祖父が拓いた土、父が守り続けた 44 年
村田君の実家は、幕別町忠類で88年続く農家です。1938年に祖父の義照さんが入植して土を拓き、2代目の父・英男さんが経営難を機にゆり根農家へと転向して以来、44年間にわたりゆり根を守り育ててきました。
「糖度最高24度」を誇る白いダイヤ 甘さの秘密は「6年の歳月」と「熟成」

村田君が育てる「月光」は、糖度14〜18度、高いものでは約24度にも達する驚異的な甘さを誇ります。その美しさから「白いダイヤ」とも呼ばれますが、出荷できるまでに6年もの歳月を要し、内部に黒い斑紋ができる「あんこ病」と呼ばれる生理障害も起きやすいため、現在ではわずか十数軒しか栽培をしていない「幻の品種」です。さらに、収穫後すぐにではなく約2か月間じっくりと寝かせることで、極上の旨みと甘みを最大限に引き出しています。
17歳の決意「自分がゆり根と地域を守る」
プレゼンの舞台で村田君は、「ユリ根は地域そのもの。気候や土壌、長年積み重ねてきた栽培技術があって初めて成立する。ユリ根がなくなってしまうことは、地域の価値や魅力がなくなることだ」と真っすぐに訴えかけました。
実は、中学を卒業するまで家業を継ぐことに消極的だったという村田君。しかし、農業高校に入学後、野菜の栽培や販売の実習を通じて「畑で働いて汗をかくことの楽しさ」に気付いたといいます。さらに、今回のプロジェクトを通じて地域のことやゆり根について深く調べたことで、過酷な栽培を続けてきた父が、地域を代表するパイオニアであることにも改めて気付いたそうです。
彼はただ伝統を受け継ぐだけではありません。ゆり根の栽培には高度なスキルが求められますが、父が長年培ってきた「経験と勘」を、高校で学んでいるスマート農業、土壌・生育データ分析によって裏付け、より確かな安定生産へとつなげようとしているのです。
村田家の教育方針もあり、卒業後はすぐに農家になるのではなく、一度社会に出て経験を積むことを考えているという村田君。彼がこれからどのような道を歩み、次世代の生産者としてどう成長していくのか、今後の展開が楽しみです。
小林CEOと竹澤料理長の感想、提供者としての想い
小林CEOは、「生産者が血の滲むような努力で作り上げた結晶を、どう料理として昇華させていくかがプロの責務。完成品だけでなく、その背景にある栽培の苦労やストーリーを語り、お客様に届けることこそが飲食店の仕事である」と、強い使命感を示していただきました。
ススキノデパートの竹澤料理長は、「ゆり根は生の時のシャリッとした瑞々しさから、火を通した後のホクホクとした甘みへの変化する食感のふり幅があり、非常に面白い食材。6年間という長い時間をかけて手をかけ続けた、農家の努力の結晶であるゆり根。これをどう料理にしていくか、改めて考える機会になった」と語っていただきました。
水戸青果の想い「つくる人、いかす人、たのしむ人をつなぐ」

私たちの企業コンセプトとして、「つくる人・いかす人・たのしむ人をむすぶ」を掲げています。生産者様から飲食店様、消費者様まで想いをつなぐ仲介者として、日々挑戦し続けます。
今回は松本先生の一通のメールがきっかけとなり、若手生産者とレストラン経営者、料理人を密に結ぶ、貴重な機会を創ることができました。
今後も水戸青果は、北海道の生産者や次世代の担い手が料理人へ直接語りかける場を継続的に創出します。
価格競争の激しい業界において、私たちが追求するのは「付加価値」です。他にはない希少性、確かな目利きによる品質、そして生産者のストーリーを大切に。
「水戸青果」では北海道の希少で新鮮な野菜・果物を全国にお届けします!

北海道札幌の青果店「水戸青果」は、創業1980年以来、札幌中央卸売市場からの仕入れで培ってきた経験と確かな目利きで、厳選された青果物を提供しています。
単に市場から仕入れるだけでなく、北海道各地の生産者のもとへ直接足を運び、その目で確かめた一級品のみを仕入れています。
このようなこだわりを持った農家さんとの直接的なネットワークにより、市場には出回らない「物語のある希少な食材」の調達も可能です。

北海道内に限らず、全国の飲食店やホテル様へ、クール便を用いて新鮮で希少な北海道産の青果をお届けできるため、遠方のお客様にも安心してご利用いただけます。
仕入れに関するお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。
