
変化や移り変わりの激しい飲食業界において、長く愛されるお店であり続けるためにも「仕入れの見直し」は、お店の魅力をさらに高めるチャンスです。
新しい仕入れ業者との出会いは、単なる取引先の変更ではなく、これまで知らなかった良質な食材を見つけるきっかけや、新しいメニュー開発のヒントをもたらしてくれます。
今回の記事では、飲食店が仕入れ先の見直しを検討すべき具体的な4つのタイミングから、トラブルなく理想のパートナーを見つけるための正しいリサーチ方法と見極め基準まで、北海道札幌の青果店「水戸青果」が解説します。
目次
飲食店が仕入れ先の見直しを検討すべき「4つのタイミング」
仕入れ先を見直すべきかどうかを判断するための具体的なきっかけや状況を整理しましょう。ここでは、以下に挙げる4つのタイミングについて解説します。
原材料費の高騰による値上げの影響
最も切実なタイミングです。現在の仕入れ先から値上げの通達が来たときや、競合他社と比較して利益率が明らかに低いと感じたときは、適正価格を把握し直す絶好の機会です。
値上げを受け入れる前に、まずは相見積もりを取るなどして交渉の材料を集めましょう。
品質低下や納品トラブルが続いたとき
納品遅延や発注ミス、食材の品質が安定しないなど、納品トラブルが頻繁に発生している場合は、仕入れ先のキャパオーバーや管理体制に問題がある可能性があります。
一時的なミスではなく、トラブルが続いた場合は、店の信頼やオペレーションに直接影響するため、見直しを検討すべき緊急度の高いタイミングです。
店舗の拡大・リニューアルを行うとき
店舗数の増加や、既存店の業態変更、大幅なメニューリニューアルなどを行う際は、必要な食材の量や品目、配送エリアが変わります。
現在の業者が大規模なロットや広範囲の配送に対応できない場合、店舗の拡大に合わせて新しい仕入れ先を探す必要があります。
新メニューや看板食材の開発で食材の品目が増える場合
特定の産地の希少野菜、ブランド食材などを新たに必要としたとき、現在の業者が取り扱えない場合があります。
新メニューの開発時には、特定の食材を扱う専門店や産地直送の業者など、専門性の高い仕入れ先を新たに追加するタイミングとなります。
仕入れ先の正しい探し方と主なリサーチ方法
仕入れ先の見直しが決まったあとは、以下のような方法を参考に、候補にあがる仕入れ先の情報収集を行いましょう。
インターネット検索(欲しい食材の産地やサービス提供エリアで絞る)

出典:リサーチ飲食店アンケート
画像のアンケートのように現在、最も手軽で基本的なリサーチ方法はインターネット検索です。具体的に欲しい食材名や配送エリアで絞り込むことで、ニッチな食材の専門業者や、産地直送の卸売業者などを発見しやすくなります。
催事や展示会の参加
年に数回開催される飲食関連の合同展示会や食材の試食会は、効率的な情報収集の機会です。
一度に多数の業者と直接話し、商品の現物を確認できるため、インターネットだけでは分からない品質や、担当者の対応力を見極めることができます。
同業者からの紹介・口コミ
同業他社の店長やオーナーからの紹介は、信頼性の高い情報源の一つです。特に、自分の店のコンセプトや規模に近い店舗の口コミは、実際の取引におけるメリットやデメリットがリアルに把握できるため、積極的に情報を交換しましょう。
この他にも、リサーチルートの候補として、飲食業界向けの業界誌や専門誌に掲載されている卸業者の広告や記事から情報を得る方法があります。
また、特に個人経営の小規模店などは、地域の卸売市場に直接足を運び、情報を得ることも有効です。
さらに、特定のブランド野菜などを使いたい場合は、生産者へコンタクトを取り、直接取引の可能性を探ったりする方法もあります。
「安さ」だけで選ぶのは危険!良い仕入れ先を見極める探し方の基準
仕入れ先選びで最も陥りがちな失敗は、価格の安さだけを最優先してしまうことです。
安さだけを追求すると、食材の品質が安定せず、調理中に使える部分(歩留まり)が悪化し、結果的に食材ロスが増えて総コストが増大してしまうリスクがあります。
良い仕入れ先を見つけるためには、目先の安さではなく、以下の要素を総合的にチェックし、長期的なパートナーシップを結べる業者を見極めることが重要です。
価格の妥当性を見極める
単価の安さだけでなく、品質、安定供給、そして送料やロットを含めた総合的なコストが、そのサービスに見合っているかを判断します。
品質と鮮度へのこだわり
納品までの温度管理体制や、食材の目利き力など、料理の品質を左右する鮮度管理の仕組みが徹底されているかを具体的に確認します。
納品・配送体制の柔軟性
希望の曜日や時間帯への納品が可能か、またクール便など鮮度を保つ配送方法が徹底されているか、トラブル時の対応力があるかをチェックします。
担当者の対応力と専門性
食材に関する専門的なアドバイス、迅速な見積もり対応、そしてトラブル時のフォロー体制など、長期的な相談に乗ってくれる信頼性を最重要視します。
これらの基準を満たす業者を選ぶことが、顧客満足度を維持し、安定した店舗運営を実現する基盤となります。
以下の記事では、失敗しない仕入れ先の探し方をより詳しく説明しているのでぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
飲食店にとって、仕入れ先を見直すことは、利益率改善と品質向上を実現するための重要な経営戦略です。
コストの高騰や品質の低下といった「タイミング」を見逃さず、インターネット検索や展示会、同業者からの口コミといった複数のルートでリサーチを行いましょう。
そして、「安さ」だけでなく、品質の安定性、納品体制、そして担当者の対応力を基準に、長期的なパートナーとして信頼できる業者を見極めてください。
「水戸青果」は北海道の希少で新鮮な野菜・果物を全国にお届け!

北海道札幌市の「水戸青果」は、1980年の創業以来、鮮度と品質にこだわった選りすぐりの青果をお届けしてきました。
珍しい野菜や希少な品種も扱い、生産者の想いと食材の魅力を丁寧に繋ぐことを使命としています。
今後も料理人の皆様と共に歩むパートナーとして、新しい価値を創り出す「北海道No.1の青果店」を目指し続けます。
「こんな野菜はないか?」「新しい仕入れ先を検討している」「珍しい食材について話を聞いてみたい」など、どんな些細なことでも構いません。
ぜひ一度、水戸青果までご相談ください。
