
近年、焼き芋専門店や高級スイーツで「ねっとりとした食感」と「驚くほどの甘さ」を持つ熟成さつまいもが大きなブームとなっています。
従来のホクホクとしたさつまいもとは一線を画す、その極上の美味しさは、メニューの付加価値を高めるための強力な武器となります。
しかし、「熟成」と聞くと、単に古くなっただけではないか、と疑問を持つ仕入れ担当者様もいるかもしれません。
この記事では、さつまいもが熟成によって劇的に美味しくなる仕組みを解説し、熟成のピークにある見分け方、そして北海道札幌の青果店「水戸青果」がお届けする、北海道の希少な熟成さつまいもブランド「由栗いも」の魅力をご紹介します。
目次
熟成さつまいもとは?熟成させるとなぜ美味しくなる?
さつまいもは収穫直後に食べるよりも、一定期間低温で貯蔵し「熟成」させることで、甘さが劇的に増します。
熟成さつまいもと通常のさつまいもでは何が変わる?
熟成の過程で、さつまいもに含まれるデンプンが糖に変化するため、甘さが格段に増します。さつまいもには、デンプンを分解して糖に変えるβ-アミラーゼという酵素が含まれています。
この酵素は、特定の温度帯で活性化するため、熟成によってデンプンが分解され、さつまいもの主成分であるデンプンの約半分以上が糖に変化することにより、ねっとりとした食感と濃厚な甘みが生まれます。
さつまいもの熟成はどのように行われている?
さつまいもの熟成は、適切な温度帯を保った専用の貯蔵庫で、適度な湿度を維持しながら行われます。
この貯蔵庫で一定期間じっくり寝かせることで、さつまいもは自らの酵素の働きによって自然に甘さを蓄え、最高の「食べ頃」の状態へと変化するのです。
熟したさつまいもの見分け方
熟成したさつまいもを、仕入れ時やご自宅で追熟させる際に確認すべきポイントは以下の通りです。
皮の色が濃く、全体が均一に色づいているか
さつまいもは熟成が進むにつれて、皮の色がだんだんと濃く鮮やかになっていきます。収穫したばかりのさつまいもは全体的に薄いピンク色で、白っぽさが残っていることが多いです。
しかし、追熟が進み食べ頃を迎えると、皮が鮮やかな紫色や紅色に染まり、全体が均一に色づいているのが大きなサインとなります。購入直後と比較して色味が濃く、ムラなく色づいていることを確認しましょう。
先端から蜜が滲み出ているか
食べ頃を迎え、糖分をたっぷりと蓄えたさつまいもは、その蜜が表面に現れることがあります。さつまいもの蜜(糖分)は主に先端の部分からしみ出すように出てくるため、追熟させる際はその点も重点的にチェックしておくと良いでしょう。
また、さつまいもの品種や状態によっては、蜜が皮の外側まで滲み出してこないこともあります。そのため、一定期間寝かせたさつまいもは、先端部分を少し切ってみて、切り口から蜜が出るかどうかを確認してみるのも、熟成度を確かめる確実な方法としておすすめです。
「熟成さつまいも」の種類
さつまいもは、品種ごとに異なる食感と甘さを持ち、熟成によってその魅力を格段に高めます。
ねっとりとした食感「安納芋」

ねっとり甘い「安納芋」は、水分が多く、とろけるような食感が特徴で、焼き芋ブームの火付け役です。
カロテンの効果で加熱により繊維がほぐれることで、この独特のねっとり感が生まれます。
収穫時で約16度ある糖度は、時間をかけて焼くことで40度近くまで高まり、蜜が溢れ出すことから「蜜芋」とも呼ばれています。
甘さが特徴「紅はるか」

名前の由来は「はるか」に甘いがコンセプトです。安納芋と同等並みの甘さを持っています。
紅はるかの糖度は、収穫した生の状態でおよそ35度、熱を加えると50〜60度にまでアップします。
食感は水分がやや少なめのしっとり。安納芋のねっとりと、さつまいも本来のほくほくの中間のような食感で、いいとこどりと言えます。
しっとり甘い「シルクスイート」

しっとり系の代表格として欠かせないのがシルクスイート。繊維質が少なく、その名の通り絹のようになめらかな食感が特徴です。
甘さは安納芋、紅はるかに比べると控えめですが、物足りないということはなくとても上品な甘さです。
シルクスイートは熟成の効果が特に顕著な品種で、獲れたてはほくほく、熟成させると甘く滑らかな食感という、1つで2回楽しめるのも面白いです。
北海道を代表する熟成さつまいもブランド「由栗いも」由仁町・栗山町

水戸青果が自信を持ってお届けするのが、北海道の由仁町と栗山町で大切に育てられた熟成さつまいもブランド「由栗いも」です。
北海道は昼夜の寒暖差が大きいため、さつまいもが自己防衛のために糖分を蓄えようとします。
植え付けは5月に行い、収穫は10月という本州と比べて時期が遅めですがじっくり育てた由栗いもは甘みがありしっとりとした食感です。
当社 水戸青果でお取り扱いの熟成さつまいも「由栗いも」の入荷時期についてはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
自宅でもできる!熟成さつまいもの作り方
仕入れたさつまいもをさらに美味しくするための、ご自宅や店舗での熟成方法をご紹介します。
さつまいもの熟成方法
さつまいもの熟成に最適なのは、13℃〜14℃の温度帯を保てる場所です。
- いもを選ぶ
皮の色が鮮やかで、傷のないさつまいもを用意します。
- 包んで保管
土がついたまま洗わず、新聞紙で包みます。
- 温度と湿度管理
包んだいもを13℃〜14℃の場所に置き、2週間〜1ヶ月ほど保管します。特に温度管理が重要です。空気が乾燥している場合は、ビニール袋で包み、口をゆるく閉じて湿度を保ちますが、湿気がこもりすぎると傷む原因になるため、十分注意してください。
熟成さつまいもをもっと美味しく!おすすめのアレンジレシピ3選
甘さがより引き立つ「さつまいもの甘煮」

※写真はイメージです
熟成いもの極上な甘さを凝縮した一品です。素材の風味を活かした、ねっとり贅沢な「さつまいもの甘煮」です。
材料(2人前)
- さつまいも(1個250g)
- (A)みりん(大さじ2と1/2)
- (A)砂糖(大さじ1)
- (A)しょうゆ(小さじ1)
- (A)水(200ml)
作り方
- さつまいもを輪切りにして水にさらしてアクを抜く。
- 鍋にさつまいもと(A)を入れて中火で煮詰め、汁がなくなったら完成。
甘みをいかした濃厚な味わい「さつまいもポタージュ」

※写真はイメージです
熟成さつまいもの強い甘みを活かし、牛乳の使用量を抑えたヘルシーかつ濃厚なポタージュです。自然な甘さが際立ちます。
材料(2人前)
- さつまいも(200g)
- 玉ねぎ(1/4個)
- 有塩バター(15g)
- 牛乳(200cc)
- 水(300cc)
- コンソメ(小さじ1)
- 塩こしょう(適量)
作り方
- さつまいもは皮をむき、均一に火が通りやすいよう薄切りにする。切ったらすぐに水にさらし、アクを抜いてから水気をしっかりと切る。
- 玉ねぎを薄切りにする。
- 鍋にバターを入れ熱し、玉ねぎを加えて透き通るまで炒める。その後、さつまいもを加えてさっと炒め合わせる。
- 水とコンソメを加え、蓋をして弱火で10分煮る。火を止め、粗熱を取る。
- 粗熱が取れたらミキサーに入れ、滑らかになるまで撹拌する。
- 鍋に戻し入れ、牛乳を加えて温める。塩こしょうで味を調えたら完成。
ねっとり食感がたまらない「大学いも」

※写真はイメージです
子どもから大人まで人気の大学いも。ほくほくのさつまいもと甘い蜜との相性が抜群です。おかずとしてはもちろん、おやつにもぴったりのレシピです。
材料(4人前)
- さつまいも(500g)
- サラダ油(適量)
- 黒いりごま(大さじ2)
- (A)砂糖(大さじ5)
- (A)醤油(大さじ1)
- (A)水(大さじ2)
作り方
- さつまいもは一口大に切る。10分ほど水にさらしてアクを抜き、水気を切る。キッチンペーパーで水気をしっかりとふき取る。
- 鍋にサラダ油を入れ、160℃に熱する。さつまいもを入れ、竹串がスーッと刺さる柔らかさになるまで5分ほど揚げる。一度油から取り出す。
- 油を180℃に再度熱し、取り出したさつまいもを戻し入れる。表面がカリッとした食感になるまで揚げる。
- フライパンに(A)を入れ、中火で熱し、とろみがつくまで加熱する。
- 火を止め、揚がったさつまいもを熱いうちに加えて、全体に蜜を素早く絡める。
- クッキングシートを敷いたバットにさつまいもを取り出し、黒いりごまをまぶして完成。
まとめ
熟成さつまいもの秘密は、デンプンが酵素の力で糖に変わるという科学的な仕組みにあります。
特に由栗いものように、北海道の寒暖差という特別な環境で育ち、適切な熟成管理を経たさつまいもは、極上の甘さとねっとり食感という高い商品価値を持ちます。
熟成さつまいもの安定的な仕入れについては、ぜひ水戸青果にご相談ください。
北海道から新鮮で希少な野菜・果物をお届け!「水戸青果」

北海道札幌市の「水戸青果」は、1980年の創業以来、鮮度と品質にこだわった選りすぐりの青果をお届けしてきました。
珍しい野菜や希少な品種も扱い、生産者の想いと食材の魅力を丁寧に繋ぐことを使命としています。
今後も料理人の皆様と共に歩むパートナーとして、新しい価値を創り出す「北海道No.1の青果店」を目指し続けます。
「こんな野菜はないか?」「新しい仕入れ先を検討している」「珍しい食材について話を聞いてみたい」など、どんな些細なことでも構いません。
ぜひ一度、水戸青果までご相談ください。