
「お店のコンセプトに沿った特定の食材を探している」「希少な食材でメニューの差別化を図りたい」
飲食店などの店舗運営において、これらの課題を解決する手段として、契約農家との直接取引が注目されています。
生産者の顔が見える安心感、そして独自の食材開発につながる可能性は、大きな魅力です。
しかし、長年の取引がある卸売業者を経由せず、農家と直接契約を結ぶことには、メリットだけでなく、天候リスクや物流管理といったデメリットも存在します。
今回の記事では、契約農家との提携がもたらすメリット・デメリットを明確にし、信頼できる農家を見つける具体的な探し方、そして、忙しい事業者様向けの選択肢までわかりやすく解説します。
目次
農家さんと直接契約することのメリット・デメリット
農家との直接契約は、中間マージンを省くという経済的な側面だけでなく、さまざまな面でメリット・デメリットがあります。
メリット
農家さんと直接契約を結ぶことには、貴社の経営とブランド価値を高める多くのメリットがあります。
まず、卸売業者などの仲介料がかからない分、仕入れコストを削減できる点が挙げられます。また、市場には出回らない農家さん独自の希少な食材を仕入れられる可能性があります。
さらに、卸売業者を通さないため、収穫から飲食店に届くまでの時間を短縮でき、比較的鮮度が保たれたまま手元に届くのも大きなメリットです。
安全性の面では、生産工程や栽培者を直接把握できるため、農薬汚染や食品偽装などのリスクを避け、安全な食材だけを仕入れられるという安心感もあります。
デメリット
農家さんと直接契約を結ぶ場合、その分事業者が負うべきリスクや負担が増えるデメリットもあります。
まず、自店のメニューに適した食材を扱う農家を見つけ、仕入れをお願いするために農家の元へ足を運び、交渉や契約のやり取りをする必要があり、この初期段階で多大な労力や時間を費やしてしまう点が挙げられます。
最も大きなリスクは、天候・気候や災害などの影響を直接受けてしまうことです。生産がストップしたり、収穫量が少なくなったりするリスクがあり、供給が不安定になる可能性があります。
さらに、天候不順などによって品質が低下しても、契約が成立した後は、料金や量の変更、オーダーの変更やキャンセルなどが、柔軟に進められないケースがデメリットになり得ます。
契約農家の探し方・見つけ方
理想の契約農家を見つけるためには、目的と地域を絞った多角的なアプローチが必要です。
希望する特定の食材やエリアでのインターネット検索
契約農家を探すための最も直接的な方法の一つがインターネット検索です。
単に「契約農家」と検索するだけでなく、「[探したい食材名]契約農家」や「[希望エリア名] 野菜 卸」など、希望する食材名や地名を組み合わせて検索することで、より目的に合った農家を見つけることができます。
農家自身が運営するウェブサイトや、地方自治体の農業関連ページ、農産物直売所の情報なども有効な手がかりとなります。
農業系マッチングサービスの活用
近年、農家と企業・飲食店をつなぐ専門のマッチングサービスやECサイトが増えています。
これらのサービスでは、作物、地域、栽培方法などの条件で絞り込めるため、比較的効率よく候補先を探すことができます。
展示会・催事への参加
実際に農家と顔を合わせ、直接コミュニケーションを取ることは、信頼関係の構築に非常に重要です。
食品関連の展示会や、地方自治体・JAなどが主催する農産物の商談会・合同展示会への積極的な参加も得策です。
地域のマルシェやファーマーズマーケットも、小規模ながらも意欲的な農家と出会えるチャンスがあります。
同業者からの口コミや紹介
すでに契約農家と取引を行っている同業者(飲食店のオーナー、食品メーカーなど)からの紹介は、最も信頼できる情報源の一つです。
紹介元の企業が実際に取引を通じて品質や納期、対応の良さを評価しているため、安心して商談を進めることができます。
農家側も紹介であれば新規の取引先に積極的に応じるケースが多く、スムーズに話が進みやすい傾向があります。
生産者と幅広いネットワークを持つ卸売業者も仕入れの選択肢に
契約農家を探し、契約を結ぶプロセスは、多くの時間と労力がかかります。
「契約農家を探す時間がない」「特定の希少な食材を複数の農家から安定供給してほしい」といった場合は、生産者と幅広いネットワークを持つ卸売業者との取引も、非常に有力な選択肢となります。
生産者との独自のルートを持つ卸売業者を経由することで、自社で農家を探す手間や、契約交渉にかかる時間を大幅に短縮でき、食材を探す手間や時間をカットできます。
さらに、卸売業者の目利きが品質の高い食材を安定的に選定・調達するため、品質のリスクを軽減でき、好条件での仕入れが可能です。納品から配送まで卸売業者に任せることで、本来の店舗業務に集中することができます。
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まとめ
契約農家との直接提携は、品質の安定、コストの最適化、そしてブランド力の強化にもつながる側面を持ちます。しかし、その実現には、天候リスクや物流管理の負担といったデメリットも伴います。
直接的に、契約農家探しに時間を避けられない場合や、複数の農家からの安定供給が必要な場合は、卸売業者も選択肢としてぜひご検討ください。